患者さんに処方された薬剤は、KDBデータベースの医療摘要データベースに含まれるレセプト電算処理システムコードで確認することができます。しかしながら、レセプト電算処理システムコードには何の規則性もないため、そのままでは疫学研究に利用できません。個々の処方薬の商品名ではなく、抗糖尿病薬やCa拮抗薬等の薬効に基づいた分類にしたがって、処方薬を分類しなければなりません。
以下に、レセプト電算処理システムコードを薬効分類に変換するマスタを作る方法を解説します。
1. KDB医療摘要データベースからレセプト電算処理システムコードを抽出する
まずは、研究対象の医療摘要データベースからレセプト電算処理システムコード(摘要コード)を抽出しましょう。6で始まる9桁のコードが薬剤コードです。
- 1…….. 医科診療行為コード
- 4…….. 調剤行為コード
- 6…….. 医薬品コード
- 7…….. 特定機材コード
- 8
ここで抽出された6で始まるレセプト電算処理システムコードに、薬効分類コードを割り振ることができれば、処方薬に関する疫学研究が可能になります。
2. レセプト電算処理システムコードを薬価基準収載医薬品コードに変換する
2.1. 薬価基準収載医薬品コードと個別医薬品コード(YJコード)
日本独自の薬効分類表に基づいて作成されている医薬品コードが、薬価基準収載医薬品コードと個別医薬品コード(YJコード)です。
薬効分類表(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1106-11v.pdf
例えば、カルシウム拮抗薬であるアムロジピン錠「NP」及びアムロジピンOD錠「NP」には、下記のレセプト電算処理システムコード、薬価基準収載医薬品コード、個別医薬品コード(YJコード)が割り振られています。薬価基準収載医薬品コードとYJコードの上4桁は薬効分類番号なので、アムロジピンは2171(冠血管拡張剤)に分類されています。
商品名 | レセプト電算処理システムコード | 薬価基準収載医薬品コード | 個別医薬品コード (YJコード) |
アムロジピン錠2.5mg「NP」 | 620007827 | 2171022F1010 | 2171022F1126 |
アムロジピン錠5mg「NP」 | 620007861 | 2171022F2122 | 2171022F2122 |
アムロジピン錠10mg「NP」 | 622216201 | 2171022F5105 | 2171022F2122 |
アムロジピンOD錠2.5mg「NP」 | 621951201 | 2171022F3013 | 2171022F3072 |
アムロジピンOD錠5mg「NP」 | 621951301 | 2171022F4079 | 2171022F4079 |
アムロジピンOD錠10mg「NP」 | 622216301 | 2171022F6071 | 2171022F6071 |
ちなみに、薬価基準収載医薬品コードとYJコードの上8桁は、下記の情報から構成されています。
薬効分類4桁+投与経路及び成分3桁(内服薬001-399、注射薬400-699、外用薬700-999)+剤形1桁
上8桁が同じであれば薬効成分(一般名)は同じなので、2171022Fはアムロジピンです。
2.2. 日本の薬効分類表
アムロジピンが分類される2171冠血管拡張剤には、カルシウム拮抗薬以外にも様々な薬剤が含まれています。また、他のカルシウム拮抗薬は2149、2171、2179等に分類されており、疫学研究で利用するにはちょっと苦しいです。
- 1 神経系及び感覚器官用医薬品
- 2 個々の器官系用医薬品
- 211 強心薬
- 212 不整脈用剤
- 213 利尿剤
- 214 血圧降下剤
- 2149 その他の血圧降下剤
- ニカルジピン
- バルニジピン
- シルニジピン
- 2149 その他の血圧降下剤
- 215 血管補強剤
- 216 血管収縮剤
- 217 血管拡張剤
- 2171 冠血管拡張剤
- ジピリダモール
- ニトログリセリン
- 硝酸イソソルビド
- 一硝酸イソソルビド
- ジラゼプ塩酸塩
- トラピジル
- ニコランジル
- トリメタジジン
- ジルチアゼム
- アムロジピン
- ニフェジピン
- ニトレンジピン
- ベラパミル
- 2172 末梢血管拡張剤
- 2179 その他の血管拡張剤
- ベニジピン
- 2171 冠血管拡張剤
- 218 高脂血症用剤
- 219 その他の循環器官用薬
- 3 代謝性医薬品
- 4 組織細胞機能用医薬品
- 5 生薬及び漢方処方に基づく医薬品
- 6 病原生物に対する医薬品
- 7 治療を主目的としない医薬品
- 8 麻薬
それでも無いよりはマシなので、とりあえずレセプト電算処理システムコードを薬価収載医薬品コード8桁(YJコード8桁)に変換するマスタを作成してみます。
2.3. 厚生労働省マスタをダウンロードする
レセプト電算処理システムコードを薬価基準収載医薬品コードに変換する医薬品マスターは、厚生労働省保健局運営している診療報酬情報提供サービスで公開されています。下記URLで公開されている医薬品マスターをダウンロードをしましょう。
- 2012年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/doKaitei24/
- 2014年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/doKaitei26/
- 2016年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/doKaitei28/
- 2018年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/doKaitei30/
- 2020年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/doKaiteiR02/
- 2022年度 http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/kaitei/
2012年度以前に廃止された古い医薬品コードは、社会保険診療報酬支払基金HP内の下記URLから入手可能です。
上記サイトからダウンロードしたマスタから下記3項目を抽出して マスタを作成すると、レコード数48299になりました。薬価基準収載医薬品コードが欠損している79レコードも含まれていますし、レセプト電算処理システムコード:薬価基準収載医薬品コード8桁=1:Nのレコードも含まれています。
- レセプト電算処理システムコード(欠損0)
- 薬価基準収載医薬品コード8桁(欠損79)
- 名称
薬価基準収載医薬品コードが欠損しているレコードは下記の通りです。保険請求関連項目と外用薬が含まれています。
1: 630010001 薬剤料減点(合算薬剤料上限超) 2: 630010002 薬剤料逓減(90/100)(内服薬) 3: 630010003 薬剤料減点(点滴注射500mL超) 4: 630010004 包括点数の治験減点分 5: 630010005 薬剤料逓減(80/100)(向精神薬多剤投与) 6: 630010006 薬剤料逓減(40/100)(紹介率が低い大病院30日以上投薬) 7: 630010006 薬剤料逓減(60/100)(紹介率が低い大病院30日以上投薬) 8: 630010007 薬剤料減点(湿布薬薬剤料上限超) 9: 630010011 薬評(内用薬) 10: 630010012 薬評(注射薬) 11: 630010013 薬評(外用薬) 12: 630010021 キシロカインポンプスプレー8%(OA1〜2歯) 13: 630010022 キシロカインポンプスプレー8%(OA1/3顎) 14: 630010023 ネオザロカインパスタ(OA1〜2歯) 15: 630010024 ネオザロカインパスタ(OA1/3顎) 16: 630010025 コーパロン歯科用表面麻酔液6%(OA1〜2歯) 17: 630010026 コーパロン歯科用表面麻酔液6%(OA1/3顎) 18: 630010027 プロネスパスタアロマ(OA1〜2歯) 19: 630010028 プロネスパスタアロマ(OA1/3顎) 20: 630010029 ハリケインゲル歯科用20%(OA1〜2歯) 21: 630010030 ハリケインゲル歯科用20%(OA1/3顎) 22: 630010031 ハリケインリキッド歯科用20%(OA1〜2歯) 23: 630010032 ハリケインリキッド歯科用20%(OA1/3顎) 24: 630010033 ビーゾカイン歯科用ゼリー20%(OA1〜2歯) 25: 630010034 ビーゾカイン歯科用ゼリー20%(OA1/3顎) 26: 630010035 歯科用TDゼット液(1歯) 27: 630010036 歯科用TDゼット・ゼリー(1歯) 28: 630010037 ケナログ口腔用軟膏0.1%(1/3顎) 29: 630010038 ケナログ口腔用軟膏0.1%(2/3顎) 30: 630010039 ケナログ口腔用軟膏0.1%(1顎) 31: 630010040 アフタゾロン口腔用軟膏0.1%(1/3顎) 32: 630010041 アフタゾロン口腔用軟膏0.1%(2/3顎) 33: 630010042 アフタゾロン口腔用軟膏0.1%(1顎) 34: 630010043 デルゾン口腔用軟膏0.1%(1/3顎) 35: 630010044 デルゾン口腔用軟膏0.1%(2/3顎) 36: 630010045 デルゾン口腔用軟膏0.1%(1顎) 37: 630010046 ヒノポロン口腔用軟膏(1歯) 38: 630010047 ヒノポロン口腔用軟膏(1/3顎) 39: 630010048 ヒノポロン口腔用軟膏(2/3顎) 40: 630010049 ヒノポロン口腔用軟膏(1顎) 41: 630010050 ヒノポロンキット 0.5g(1歯) 42: 630010051 ヒノポロンキット 0.5g(1/3顎) 43: 630010052 ヒノポロンキット 0.5g(2/3顎) 44: 630010053 ヒノポロンキット 0.5g(1顎) 45: 630010054 ヂヒドリン軟膏 10%(1歯) 46: 630010055 ヂヒドリン軟膏 10%(1/3顎) 47: 630010056 ヂヒドリン軟膏 10%(2/3顎) 48: 630010057 ヂヒドリン軟膏 10%(1顎) 49: 630010058 テラ・コートリル軟膏(1歯) 50: 630010059 テラ・コートリル軟膏(1/3顎) 51: 630010060 テラ・コートリル軟膏(2/3顎) 52: 630010061 テラ・コートリル軟膏(1顎) 53: 630010062 プレステロン「歯科用軟膏」 10%(1歯) 54: 630010063 プレステロン「歯科用軟膏」 10%(1/3顎) 55: 630010064 プレステロン「歯科用軟膏」 10%(2/3顎) 56: 630010065 プレステロン「歯科用軟膏」 10%(1顎) 57: 630010066 テトラ・コーチゾン軟膏(1歯) 58: 630010067 テトラ・コーチゾン軟膏(1/3顎) 59: 630010068 テトラ・コーチゾン軟膏(2/3顎) 60: 630010069 テトラ・コーチゾン軟膏(1顎) 61: 630010070 OA(1〜2歯) 62: 630010071 OA(1/3顎) 63: 630010072 テトラサイクリン塩酸塩パスタ3%「昭和」 30mg(1歯) 64: 630010073 テトラサイクリン塩酸塩パスタ3%「昭和」 30mg(1/3顎) 65: 630010074 テトラサイクリン塩酸塩パスタ3%「昭和」 30mg(2/3顎) 66: 630010075 テトラサイクリン塩酸塩パスタ3%「昭和」 30mg(1顎) 67: 630010076 テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏(1歯) 68: 630010077 テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏(1/3顎) 69: 630010078 テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏(2/3顎) 70: 630010079 テトラサイクリン・プレステロン歯科用軟膏(1顎) 71: 630010080 サージカルパック口腔用 散剤(液剤を含む)(1/3顎) 72: 630010081 ジンジカインゲル20%(OA1〜2歯) 73: 630010082 ジンジカインゲル20%(OA1/3顎) 74: 630010083 オルテクサー口腔用軟膏0.1%(1/3顎) 75: 630010084 オルテクサー口腔用軟膏0.1%(2/3顎) 76: 630010085 オルテクサー口腔用軟膏0.1%(1顎) 77: 630010086 デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「日医工」(1/3顎) 78: 630010087 デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「日医工」(2/3顎) 79: 630010088 デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「日医工」(1顎)
レセプト電算処理システムコード:薬価基準収載医薬品コード=1:Nのレコードは下記の28レコードです。
1: 621203601 6349801X ボルヒール組織接着用 0.5mL4瓶 2: 621203601 7990710X ボルヒール組織接着用 0.5mL4瓶 3: 621203701 6349801X ボルヒール組織接着用 1mL4瓶 4: 621203701 7990710X ボルヒール組織接着用 1mL4瓶 5: 621203801 6349801X ボルヒール組織接着用 2mL4瓶 6: 621203801 7990710X ボルヒール組織接着用 2mL4瓶 7: 621203901 6349801X ボルヒール組織接着用 3mL4瓶 8: 621203901 7990710X ボルヒール組織接着用 3mL4瓶 9: 621204001 6349801X ボルヒール組織接着用 5mL4瓶 10: 621204001 7990710X ボルヒール組織接着用 5mL4瓶 11: 621518301 6349800X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 5mL2キット 12: 621518301 7990707X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 5mL2キット 13: 621519801 6349800X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 0.5mL2キット 14: 621519801 7990707X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 0.5mL2キット 15: 621519901 6349800X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 1mL2キット 16: 621519901 7990707X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 1mL2キット 17: 621520001 6349800X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 3mL2キット 18: 621520001 7990707X ベリプラストP コンビセット 組織接着用 3mL2キット 19: 621982201 2482011F ヤーズ配合錠 20: 621982201 248210BF ヤーズ配合錠 21: 622133401 6349802X タコシール組織接着用シート 3.0cm×2.5cm 22: 622133401 7990713X タコシール組織接着用シート 3.0cm×2.5cm 23: 622133501 6349802X タコシール組織接着用シート 4.8cm×4.8cm 24: 622133501 7990713X タコシール組織接着用シート 4.8cm×4.8cm 25: 622133601 6349802X タコシール組織接着用シート 9.5cm×4.8cm 26: 622133601 7990713X タコシール組織接着用シート 9.5cm×4.8cm 27: 644310019 4300423A クリプトン(81mKr)ジェネレータ 28: 644310019 4300701G クリプトン(81mKr)ジェネレータ
いずれも同じ名称の薬剤ですので、いずれの薬剤も同じ薬価基準収載医薬品コード8桁で統一して問題なさそうです。 ボルヒール組織接着用 0.5mL4瓶の場合、6349801Xは5レコード、7990710Xは10レコード存在するので、同じ薬価基準収載医薬品コード8桁のレコード数が多い7990710Xに統一することにします。
- 6349801X ボルヒール組織接着用 0.5mL4瓶 5レコード
- 7990710X ボルヒール組織接着用 0.5mL4瓶 10レコード(こちらに統一する)
最終的に厚労省マスタは下記の通りになりました。
- 総レコード数 48285
- レセプト電算処理システムコードの固有値 48285種類
- 薬価基準収載医薬8桁の固有値 6144種類(欠損78を除く)
3. 実際の研究に必要な薬剤コード
2.で作成した厚生労働省マスタは、過去と現在に存在しているレセプト電算処理システムコードに対するマスタです。当然のことならば、研究対象の時代と地域によって異なるので、実際の研究ではその一部分しか必要ありません。そこで、2.で作成したマスタから、実際の研究対象データに含まれているレセプト電算処理システムコードを抽出します。
現在私達が行っている研究Tでは、下記の結果になりました。
- 研究Tの総レコード数 22939
- 研究Tのレセプト電算処理システムコードの固有値 22939種類
- 研究Tの薬価基準収載医薬8桁の固有値 4198種類(欠損4:薬剤料逓減と薬剤料減点を除く)
薬価基準収載医薬品コード8桁に対して、研究に必要な薬剤コードを割り振ることができれば、疫学研究に利用できます。循環器系疾患の薬剤に注目した研究を実施するならば、下記の循環系疾患211-219の薬価基準収載医薬品コード8桁3817種類に対するマスタを作成すればいいのです。自力で作成するには莫大な時間が必要になりますので、現実的ではありません。
- 211 強心薬 210種類
- 212 不整脈用剤 341 種類
- 213 利尿剤 140種類
- 214 血圧降下剤 1575種類
- 216 血管収縮剤 51種類
- 217 血管拡張剤 692種類
- 218 高脂血症用剤 470種類
- 219 その他の循環器官用剤薬 338種類
4. レセプト電算処理システムコード8桁をWHO ATCコードに変換する
4.1. Anatomical Therapeutic Chemical Classification System (ATC)
疫学研究で必要なのは、個々の処方薬の商品名ではなく、抗糖尿病薬やCa拮抗薬等の薬効に基づいた分類です。WHOが作成しているATC分類は、世界的に利用されている薬効分類です。ATC分類は7桁で構成されており、3-5桁がおおよその薬効を示しています。
WHOのATC分類公式ホームページ https://www.whocc.no/atc_ddd_index/
- A10…. 抗糖尿病薬
- A10BA.. ビグアナイド
- A10BB.. スルホニル尿酸
- A10BB01 フェンホルミン
- A10BB02 メトホルミン
- A10BB03 ブホルミン
- C07…. β拮抗薬
- C08…. Ca拮抗薬
- C08CA.. ジヒドロピリジン誘導体
- C08CA01 アムロジピン
- C08CA.. ジヒドロピリジン誘導体
- C09…. レニン・アンギオテンシン系阻害薬
- C10…. 脂質修飾薬
- C10AA.. スタチン(単剤)
- C10AB.. フィブラート(単剤)
- C10AC.. 胆汁酸捕捉薬(単剤)
- C10AD.. ニコチン酸と誘導体(単剤)
- C10AX.. その他
4.2. 購入したATCコードマスタの統合
現時点では、レセプト電算処理システムコード(あるいは薬価基準収載医薬品コード8桁)をWHO ATCコードに変換するマスタは一般公開されていないみたいです。そこで、私たちの研究室では、薬価基準収載医薬品コードをWHO ATCコードに変換するマスタを購入しました。毎月リリースされているので、毎年12月にリリースされたマスタを購入し、下記の処理を行って、カスタマイズしています。
1. ATC5桁とATC7桁が矛盾するレコードを削除する
初期のマスタには「ATC5 G01AFであるが、ATC7 J01XD02」みたいな明らかな入力ミスが存在します。このような矛盾するマスターを削除します。
2. ATC5桁:ATC7桁=1:1の原則
同じ薬価基準収載医薬品コード8桁に、同じATC5桁、複数のATC7桁が割り振られている場合、昇順ソートで最初のATC7桁(最小ATC7桁)のみを割り振ります。
具体的には、下記の薬価基準収載コード8桁には同じATC5桁、複数のATC7桁が割り振られているので、最初のATC7桁で代表して、2番目以降のATC7桁を削除しました。
薬価基準収載医薬品コード8桁 | ATC5桁 | ATC7桁 | 名称 |
1214400A | N01BB | N01BB02 | lidocaine |
N01BB | N01BB52 | idocaine, combinations | |
2316012A | A07FA | A07FA01 | lactic acid producing organisms |
A07FA | A07FA51 | lactic acid producing organisms, combinations | |
2699704M | D03AX | D03AX01 | cadexomer iodine |
D03AX | 欠損 | 欠損 | |
4490400A | V01AA | V01AA02 | grass pollen |
V01AA | V01AA04 | mould fungus and yeast fungus | |
V01AA | V01AA05 | tree pollen | |
V01AA | V01AA08 | food | |
V01AA | V01AA09 | textiles |
最終的に、レセプト電算処理システムコード8桁:ATC5桁:ATC7桁=1:N:N(N=1〜4)のマスタが完成しました。
- 総レコード数 5040
- レセプト電算処理システムコード8桁 4825種類(欠損0)
- ATC5桁 639種類(欠損0)
- ATC7桁 1719種類(欠損1806を除く)
- レセプト電算処理システムコード8桁:ATC5桁=1:1のレコード 4638
- レセプト電算処理システムコード8桁:ATC5桁=1:2のレコード 326
- レセプト電算処理システムコード8桁:ATC5桁=1:3のレコード 60
- レセプト電算処理システムコード8桁:ATC5桁=1:4のレコード 16
5. 実際の研究に必要なATCマスタ
3で抽出した実際の研究Aに含まれているレセプト電算処理システムコード8桁4198種類に、4で作成したマスタをマージします。